今回は、当社でよくある入稿データのトラブルについてご紹介します。

入稿前に確認していただくことで、再入稿の手間を省き納期の遅れを防ぐことができます。

1. 塗り足しがない

印刷データには、仕上がりサイズから周囲3ミリの「塗り足し」が必要です。

これがないと、断裁時に紙の端に白い余白が出てしまいます。

お客様が使用されるアプリケーションで塗り足しを付けるのが難しい場合は、弊社で少し拡大し印刷した後でカットを行います。

その場合は、周りの余白を多めにとっていただくと安心です。

塗り足しがない場合の出力結果

2. 縦横比やサイズが違う

PowerPointでA4やA3などを選んで作成したデータや、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真データは、そのままでは印刷の定型サイズではありません。

そのため、印刷時にトリミングする必要があります。

3. 仕上がりギリギリに大事な要素がある

文字や図が仕上がりサイズのギリギリに配置されていると、断裁時に切れてしまう可能性があります。

また、周囲に適度な余白を取ることで見やすい印刷物になりますので、周囲に余裕をもたせたレイアウトを行ってください。

仕上がりサイズギリギリに大事なオブジェクトをおくと起こる現象

4. 仕上がりのラインに罫線がある

デザイン制作時には、確認用として仕上がり位置に罫線を入れることがあります。

しかし、この罫線が入った状態で入稿すると、罫線も印刷され仕上がりに影響します。

入稿前には、不要な罫線がないかチェックしてください。

仕上がりラインに罫線があるデータの印刷トラブル

5. フォントがない

制作データに使用したフォントが、弊社の環境にないと、別のフォントに置き換わってしまいます。

ai(Illustrator)データを入稿する場合は、必ず「アウトライン化」を行ってください。

Illustratorで保存したPDFや、他のアプリケーションで作ったデータは、フォントをPDFに埋め込んで入稿してください。

フォントが埋め込まれていなかったりアウトラインが取られていなかったりする場合

6. 画像が粗すぎる

印刷する画像のピクセル数が少ないと、仕上がりがぼやけたり粗く見えてしまいます。

手元で見る印刷物の解像度は300dpi~、少し離れて見るものでも100dpi~は必要です。

原寸で一部分をプリンターで出力するとイメージがつかみやすいです。

画像が粗すぎる場合

下記はIllustrator・PhotoshopなどDTPアプリケーションにおけるトラブル

7. 特色指定がある

企業ロゴのデータなどは特色が指定されていることがあります。

このようなデータをプロセスカラーに変換せずに使用すると、印刷時に意図しない色味になることがあります。

特色指定が含まれるデータの印刷

8. 非表示レイヤーがある

印刷不要なレイヤーが残っていると、データが重くなったり、誤って再表示されて印刷されてしまう可能性があります。

Illustratorではレイヤーパネルメニューから「非表示レイヤーを削除」を選択すると非表示レイヤーを消すことができます。

Photoshopデータの場合は、レイヤーを統合してください。

非表示レイヤーがあるデータの例

9. 画像が足りない

Illustratorでリンクで画像を配置している場合、画像データが不足しているとエラーが出ます。

画像を埋め込みにしたり、「パッケージ機能」を使うことでトラブルを回避できます。

画像が足りない時に起こる現象

10. データが重すぎる

高解像度の画像を大量に配置すると、データが重くなり、処理や保存に時間がかかります。

使用サイズに応じて画像を縮小することでデータ量を抑えることができます。

データが重すぎる時の対処法

特別編 11. 日付や電話番号は要チェック!

イベントの日付や曜日、お問い合わせの電話番号など、特に重要な情報の間違いは再入稿や再印刷の原因となります。

(弊社でも年間数件発見されます…)

間違いのないように、入稿前に念入りにチェックしてください。

日付などは特にチェックしてください。

いかがでしたでしょうか?

ぜひ、今回ご紹介したポイントを参考にして、入稿前のチェックをお願いいたします。

私たちも、安心してご依頼いただけるようサポートいたしますので、何かご不明点がありましたらお気軽にご相談ください。